押入れの収納|有効奥行き80cmをどう使うか

押入れ:有効奥行きは75から80cm。だから手前と奥で使い方を分ける

押入れの収納は、有効奥行き75〜80cmを手前と奥の2列に分けたところから決まり、この奥行きが部屋の収納レイアウトを決めます。

押入れとクローゼットの奥行きを比べた図。
押入れとクローゼットの奥行き。押入れは折りたたんだ布団のための奥行き。だから手前と奥で使い方を分ける。

押入れの間口は半間、約91cmです。この奥行きと間口の組み合わせは、折りたたんだ布団を収めるための寸法で、衣類や日用品のために決められた寸法ではありません。だから、布団以外のものを入れた押入れは奥から死んでいきます。手前に置いたものが奥のものを隠し、奥にあるものは取り出す動作が2手増えるからです。

奥行き75〜80cmという寸法の出どころ

奥行き75〜80cmは、たたんだ布団の寸法から来ています。間口が半間の約91cmなのも同じ理由で、布団を横に並べて入れるための幅です。押入れの寸法は、収納する物がひとつに決まっていた時代の設計になっています。

現在この空間に入るものは、衣類、家電の箱、季節物、おもちゃと多岐にわたります。いずれも折りたたんだ布団より奥行きが浅いため、1つ置けば後ろに空きが残ります。この空きを空けたまま奥へ物を落とし込むか、2列目として設計するかが分かれ目です。

中段の上と下で、入るものが変わる

中段は、押入れを上下に割っている水平の板です。中段の下の高さは70〜80cm、上の高さは90〜100cmで、上のほうが20cm高くなっています。

高さ間口向いている置き方
中段の上90〜100cm約91cm掛ける、立てる、2段に積む
中段の下70〜80cm約91cm引き出す、キャスターで出す

下の段は床に近く、かがむ動作が入ります。だから下には引き出して使うものを置き、上には立てて見えるものを置くと、取り出す手数が減ります。高さ90〜100cmある中段の上は、丈の短い衣類を掛けられる高さでもあります。

押入れとクローゼットの奥行きを比べた図。
押入れとクローゼットの奥行き。押入れは折りたたんだ布団のための奥行き。だから手前と奥で使い方を分ける。

手前と奥を分ける

手前と奥を分けるというのは、奥行き75〜80cmを2つの列として扱うことです。75cmを半分に割れば1列あたり37cm前後、80cmなら40cm前後になります。この37cmから40cmという数字が、前後に2列を成立させられるかどうかの分かれ目になります。

  • 奥の列には、年に1、2回しか動かさないものを置きます。
  • 手前の列には、キャスターや台車に載せて引き出せるものを置きます。
  • 2列とも、箱の外寸を1種類にそろえて積み重ねます。
  • 積んだ箱の上に手が入る余裕を残し、持ち上げて取り出せるようにします。

奥の列を引き出し式にすると、手前の列を降ろさずに奥へ手が届きます。ワンルームで押入れが唯一の収納である場合も、この2列の考え方は変わりません。

奥行き40cm以下の箱であれば、有効75cmの押入れに前後2つが並びます。前後で高さの違う箱を使い、手前を低く、奥を高くすると、扉を開けたときに奥の中身まで見えます。逆にすると、手前の箱が壁になって奥が見えません。押入れの前に立った目線から中身が見えるかどうかが、その使い方を続けられるかどうかを決めます。

棚を作るとき、机にするとき

押入れに棚を作るDIYは、奥行き75〜80cmを縦に使うか横に使うかで作り方が変わります。横に使うなら、間口91cmを渡す棚板が1枚。縦に使うなら、奥行き方向に仕切って前後を独立させます。トミカのような小さなおもちゃを並べるなら、必要なのは棚の枚数ではなく、1段あたりの高さです。品物の高さを測り、そこに指がかかる余裕を足した寸法で段を割ります。

間口91cmは、棚板を1枚で渡すには長い寸法です。中央に支えを入れて2スパンに分けると、板のたわみが減ります。トミカのように1つが小さく数の多いおもちゃなら、段の高さを低く取って段数を増やすほうが、上から全部が見えます。

中段の板をそのまま天板として使う使い方もあります。中段の下が70〜80cmということは、板の上面が床から70〜80cmの高さにあるということです。ただし、中段は布団を載せるための板で、集中した荷重や、人が体重をかける使い方を想定した部材とは限りません。

押入れがない部屋、天袋がある部屋

押入れがない部屋では、同じ2列の考え方を家具に当てはめます。ベッドの下も、押入れと同じで「高さ」で決まる空間です。クイーンサイズの幅は160cm、キングサイズは180cmあるので、その下の面積は広い一方、床からの高さが低ければ入るのは薄いものだけになります。クイーンには幅170cmの仕様もあります。

天袋に何を入れるかは、下ろすときのことから決めます。踏み台の上で、両手がふさがった状態のまま降りられる重さと大きさが上限です。ここに重いものを入れると、年に1回の出し入れが危険な作業になります。

天袋は、押入れの上にある扉付きの棚です。ここは踏み台なしでは手が届かないため、入れるのは軽く、年に1回動かせば足りるものに限られます。奥行きの深さという性質はクローゼットよりも押入れに近く、キッチンの収納で吊戸棚が扱われるのと同じ問題が起きます。

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