キッチンの収納|取り出す順に置く

キッチンの収納:吊戸棚の高さと、シンク下の奥行き

キッチンの収納は、作業する人が立つ通路を60cm残したうえで、天板の高さと吊戸棚の下端という2つの高さに合わせて決める、高さ方向のレイアウトです。

キッチンの各部の高さを比べた図。
キッチンの高さ(cm)。作業台の高さは、身長の半分に5cmを足したあたりが目安。

この2つの高さのあいだが、立ったまま手が届く帯です。天板より下は、かがむか引き出すかしないと届きません。吊戸棚の下端より上は、腕を上げるか踏み台を使わないと届きません。キッチンの収納が場所ごとに難しさを変えるのは、収納量ではなく、この3つの帯のどこにあるかが違うからです。

キッチンを分ける2つの高さ

キッチンを分ける2つの高さは、天板の上面と、吊戸棚の下端です。この2本の水平線が、収納を3つの帯に切ります。

位置取り出す動作入れるもの
吊戸棚の下端より上腕を上げる、踏み台を使う軽いもの、使用頻度の低いもの
天板から吊戸棚の下端まで立ったまま手を伸ばす毎日使うもの
天板より下かがむ、引き出す重いもの、鍋、ストック

重いものを上の帯に入れないという判断は、この表から出てきます。逆に、毎日使うものが上や下の帯にあると、1日に何度も余計な動作が入ります。

キッチンの各部の高さを比べた図。
キッチンの高さ(cm)。作業台の高さは、身長の半分に5cmを足したあたりが目安。

シンク下は、排水管をよけた寸法で決まる

シンク下は、扉の内側の寸法がそのまま使えるとは限りません。排水管とトラップが内部を通っているため、使える奥行きと高さは、その配管をよけた残りになります。測る場所は3つです。

  1. 扉の内側から、配管の手前までの奥行きを測ります。
  2. 配管をまたいで置く場合の、配管の上から棚の下端までの高さを測ります。
  3. 配管の左右に残っている、それぞれの幅を測ります。

この3つの数字が出れば、置けるものは自動的に決まります。配管の左右が狭ければ縦長のものを立て、配管の上に高さがあれば、脚のある棚で上をまたぎます。伸縮する棚やラックを選ぶときも、判断するのは商品の種類ではなく、この3つの実測値です。

シンク下は湿気がこもりやすい場所でもあります。配管が通っているぶん、壁と箱のあいだに隙間を残して置くほうが、あとから点検と掃除ができます。壁にぴったり寄せると、水漏れが起きたときに気づくのが遅れます。

天板の上と、吊戸棚の下の壁

天板の上と吊戸棚の下にある壁は、キッチンでいちばん手が届きやすい帯です。ここに収納を足すと作業面が減るので、置くのではなく掛けるか、奥行きの浅いものを選びます。突っ張り棒やレールを渡す場合、必要な寸法は天板から吊戸棚の下端までの高さと、奥行き方向にどれだけ張り出すかの2つです。

張り出しは、そのまま作業面の奥行きから引かれます。奥行き10cmの棚を壁側に足せば、まな板を置ける奥行きが10cm減ります。狭いキッチンでは、この引き算のほうが収納量より効きます。カウンターの上に物を置く場合も同じで、増えた収納と減った作業面を並べて比べます。

通路を残してから、置ける奥行きを決める

通路を先に確保してから、残りに収納を置きます。大人が1人通るには60cm、2人がすれ違うには90cmが必要です。キッチンで振り返る動作が入る場合、後ろに何を置くかでこの数字は変わります。

賃貸のキッチンでは、備え付けの収納の位置は動きません。動かせるのは、床に置く棚と、天板の上に置くものだけです。だから採寸するのは備え付けの寸法ではなく、備え付けと備え付けのあいだに残った空きになります。冷蔵庫の横、シンクと壁のあいだ、吊戸棚の端から壁までの3か所を測ると、置ける場所が出ます。

江戸間の6畳、2.64m × 3.52mにダイニングを兼ねたキッチンを収める場合で計算します。片側に奥行き45cmの棚やラックを置くと、短辺2.64mの残りは2.19m。反対側にも同じ奥行きの家具を置けば1.74mが残り、そこから通路の60cmを引いた1.14mがテーブルなどに使える幅です。ダイニングテーブルで椅子を引いて座るには、テーブルの縁から75cmが要ります。

取り出す順に置く

取り出す順に置くというのは、収納の場所を、物の種類ではなく作業の順番で決めることです。同じ調味料でも、火のそばで使うものとシンクで使うものは置き場所が違います。

  • 作業を、洗う、切る、加熱する、盛るの4つに分けます。
  • それぞれの作業の位置から、手を伸ばして届く範囲に道具を置きます。
  • 箱やケースの外寸を1種類にそろえ、段の中で並べ替えられるようにします。
  • 同じ用途のものが2つあれば、片方を上の帯へ移します。

棚を足す場合、比べるのは商品どうしではなく、棚の外寸と空いている寸法です。棚板の高さを動かせるかどうかも、あとから効きます。入れるものが変わるたびに買い替えずに済むのは、段の高さを変えられる棚のほうです。

箱の外寸を1種類にそろえておくと、キッチンで余ったものを押入れやクローゼットへそのまま移せます。収納は入れ物から決めるのではなく、置き場所の寸法から決めます。キッチンでも、その順番は変わりません。

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