間取り図の読み方:帖と畳の違い、壁芯、CL・PS・MBの意味
間取り図は住戸を真上から見た平面図で、部屋の広さは畳の枚数で書かれ、江戸間の6畳なら2.64m×3.52mの9.29m²を指します。
間取り図が伝えるのは、部屋の数、部屋どうしのつながり、建具の向き、そして設備の位置です。伝えないのは、歩ける床の実寸と、天井の高さと、梁の出っ張りです。図面を読むという作業は、書かれている記号を言葉に戻し、書かれていない寸法を自分で測って足す作業になります。
CL、WIC、PS、MB、S、UBは、それぞれ何を指すか
記号はすべて設備か収納の略号で、図面のなかで場所を取る順に覚えると読み違えません。とくにPSは家具を置けない場所、Sは居室として数えない部屋なので、この2つを取り違えると使える床の計算が狂います。
| 記号 | 元の語 | 図面での意味と寸法 |
|---|---|---|
| CL | クローゼット | 洋服をハンガーで掛ける収納。奥行きは柱芯で約68cm、有効で60cm強 |
| WIC | ウォークインクローゼット | 人が中に入って歩ける収納。中を歩くため、通路として60cmが要ります |
| PS | パイプスペース | 給排水管やガス管を上下階に通す縦穴。床から天井まで塞がっており、家具は置けません |
| MB | メーターボックス | 電気・ガス・水道のメーターを収める箱。PSと並べて書かれます |
| S、N | サービスルーム、納戸 | 居室の条件を満たさない部屋。居室の数には数えません |
| UB | ユニットバス | 床・壁・天井を一体で成形した浴室。1216は内寸120cm×160cm |
| W | 洗濯機置き場 | 洗濯機を据える位置。給水と排水がその場所に固定されています |
| R | 冷蔵庫置き場 | 冷蔵庫を据える位置。台所の他の家電と電源を共有します |
| DN、UP | 下り、上り | 階段の向き。DNが下り、UPが上りです |
2SLDKのような表記でSが数字の外に出ているのは、サービスルームが居室として数えられないためです。押入れは記号ではなく「押入」と書かれることが多く、間口は半間の約91cm、奥行きの有効寸法は75cmから80cm、中段の下は70cmから80cm、上は90cmから100cmです。
「帖」と「畳」は、同じ広さを指しているか
帖と畳は、同じ1枚の畳を指す表記ですが、使われる場面が違います。畳は敷かれている畳そのものを数える字で、帖はフローリングの部屋を畳何枚ぶんに換算した広さの単位として広告や図面に使われます。つまり6帖の洋室に畳は1枚もありません。
問題は枚数ではなく1枚の寸法です。1畳の寸法は規格によって4種類あり、同じ6畳が8.67m²にも10.94m²にもなります。この差は最大でおよそ26%で、間取り図の数字を読むうえで最も大きな落とし穴です。
| 規格 | 1畳 | 1畳の面積 | 6畳の実寸 |
|---|---|---|---|
| 京間 | 1.910m×0.955m | 1.824m² | 2.865m×3.820m=10.94m² |
| 中京間 | 1.820m×0.910m | 約1.65m² | 2.730m×3.640m=9.93m² |
| 江戸間 | 1.760m×0.880m | 1.549m² | 2.640m×3.520m=9.29m² |
| 団地間 | 1.700m×0.850m | 約1.44m² | 2.550m×3.400m=8.67m² |
広告の「帖」には、もう一つの下限があります。不動産の表示に関する公正競争規約は、表示に使う1畳を1.62m²以上(壁心面積を畳数で割った値)と定めています。江戸間の1畳1.549m²とは別の数字で、前者は広告で何畳と書けるかの基準、後者は畳そのものの寸法です。規約が決めるのは表示できる呼び名であって、建物が備えるべき広さではありません。
図面に「6帖」とだけ書かれている場合、どの規格かは書かれていません。m²の表示が併記されていれば、6で割って1畳あたりの面積を出せば規格が判別できます。江戸間なら1.549m²、団地間なら約1.44m²です。
壁芯と内法:広告の面積が歩ける床より広い理由
壁芯は壁の厚みの中心線で測った寸法、内法は壁の内側の面で測った寸法です。間取り図と広告の面積は壁芯で計算されるため、実際に歩ける床は内法の寸法になり、必ず表示より狭くなります。差は壁の厚みの半分ずつ、向かい合う2面で1枚ぶんです。
家具が入るかどうかを決めるのは内法の側です。図面の数字から家具の可否を判断すると、壁の厚みのぶんだけ楽観的な答えが出ます。壁から壁までを実際に測り、その数字で計算し直します。
扉、窓、方位の描き方から読み取れる寸法
扉の描き方は、床が占領される範囲をそのまま表しています。四分円が描かれていれば開き戸で、その四分円の半径ぶんの床には家具を置けません。開き戸やクローゼットの扉を開けるには90cmが要ります。二重線が横に伸びていればスライドドア(引き戸)で、開閉のために床を空ける必要がありません。折れ線が2本描かれていれば折戸です。
窓は壁の線が二重または三重に細く割られた箇所で示されます。掃き出し窓は床まで届くため、その壁面には背の高い家具を置けません。腰窓であれば、窓の下端より低い家具は置けます。方位は図面の隅の矢印で示され、矢印の指す先が北です。窓のある面と方位を重ねると、日中に光が入る壁がわかります。
階段のある住戸では、DNとUPの向きと、段の描かれた本数を見ます。数字が細かく振られている図面では、その数字がmm単位の寸法であることが多く、2640や3520といった値は江戸間6畳の実寸と一致します。
間取り図から家具配置を確かめる手順
間取り図から家具配置を確かめるには、図面の数字をそのまま使わず、4つの寸法を測って置き換えます。家具配置のアプリはこの4つを知らないため、入力しない限り画面の判定は図面と同じ楽観的な答えを返します。
- 測る:壁の内側から内側までの長さ。図面の壁芯の値と置き換えます。
- 測る:梁や柱が室内に出ている奥行き。壁に見えて家具がつかない箇所です。
- 測る:窓の下端の高さと、掃き出し窓かどうか。
- 測る:扉が開ききったときに床を占める範囲。開き戸なら90cmです。
この4つを入れたうえで、家具の幅を引き算します。江戸間6畳の2.64mの短辺に幅120cmのセミダブルを置けば残りは144cm、通路の60cmを引いて84cmです。仕切りのない住戸での引き算はワンルームのレイアウトのページ、二部屋ある住戸での引き算は1LDKのレイアウトのページ、記号ごとの違いは間取り別のレイアウトのページが扱います。