ワンルームのレイアウト:仕切りがない部屋を家具で仕切る
ワンルームのレイアウトは、台所と居室のあいだに扉がない一室をどこで区切るかという問題で、江戸間6畳なら2.64m×3.52mの9.29m²に、寝る場所と食べる場所と働く場所をすべて収めることになります。
ワンルームとは何か
ワンルームは、居室と台所が同じ空間に置かれ、そのあいだに建具がない住戸です。1Kとの差は扉1枚で、面積の差ではありません。台所の設備が居室の壁の一部を占めるため、江戸間6畳で使える壁は、長辺3.52mが2面と短辺2.64mが2面の合計12.32mから、台所の間口と玄関の出入口ぶんが引かれた長さになります。
与えるものは、仕切りがないぶんの見通しと、暖房や冷房が一室で完結することです。奪うものは、寝具と調理の距離です。壁付けキッチンの正面に寝具を置けば、油煙とにおいが寝具にかかります。この一点だけが、ワンルームのレイアウトで最初に決める事項になります。
ワンルームのレイアウト:居室をどう使うか
仕切りのない部屋を区切る境界は、建物ではなく家具の奥行きで作ります。境界に使える家具の奥行きは、掛ける収納なら有効で60cm強、押入れに近い深さを取るなら75cmから80cmです。この家具の前後に通路が要るため、区切り1本につき部屋から消える幅は、家具の奥行きに通路の60cmを足した値になります。
- 置く:奥行き60cm強の収納を部屋の中央に横向きに立て、通路60cmを前に取ると、120cm強が区切りに消えます。
- 置く:奥行き30cm台の棚を境界に使えば、消える幅は90cm台に下がります。
- 置く:ベッドそのものを境界にすると、家具を1つも増やさずに区切れます。
- 置く:カウンターキッチンのある住戸では、カウンターがすでに境界なので、家具を足す必要がありません。
江戸間6畳の短辺は2.64mしかないため、短辺を横切る区切りを立てると、残るのは片側1.44m前後です。区切りは長辺側に沿わせるか、部屋の一部だけを囲う形にとどめます。
ワンルームでの一人暮らし
一人暮らしのワンルームでベッドを置いたあとに残る幅は、江戸間6畳の短辺2.64mから、ベッドの幅を引いた値です。ベッドの長さはどの幅でも約195cmなので、長辺3.52mに沿わせれば足元に157cmが残ります。
| ベッドの幅 | 短辺2.64mの残り | 通路60cmを引いた残り |
|---|---|---|
| セミシングル 85cm | 179cm | 119cm |
| シングル 97cm | 167cm | 107cm |
| セミダブル 120cm | 144cm | 84cm |
| ダブル 140cm | 124cm | 64cm |
ベッドの横をすり抜けるだけなら50cmで足り、家具のあいだの通路として日常的に使うなら60cmが最低です。テレワークの机を置くなら、この残り幅の中に机の奥行きと椅子を引く寸法が両方入る必要があります。ダブルを置いた時点で残りは64cmとなり、机と椅子は別の壁面に移ります。
6畳、8畳、10畳のワンルームで、家具に使える面積
ワンルームで家具に使える面積は、部屋の面積から通路と建具の可動範囲を引いた残りです。江戸間で畳数を実寸に直すと次のようになり、8畳と10畳は長辺が伸びるだけで、短辺は3.52mで頭打ちになります。
| 畳数(江戸間) | 実寸 | 面積 |
|---|---|---|
| 6畳 | 2.64m×3.52m | 9.29m² |
| 8畳 | 3.52m×3.52m | 12.39m² |
| 10畳 | 3.52m×4.40m | 15.49m² |
| 12畳 | 3.52m×5.28m | 18.59m² |
8畳は3.52mの正方形で、6畳のような縦長ではありません。縦長の部屋では家具を長辺の片側にそろえ、もう一方を通路に使えますが、正方形では中央に必ず余白が生まれます。10畳と12畳の縦長は、長辺が4.40mと5.28mになるため、寝る区画と食べる区画を前後に分けられます。狭小と呼ばれる部屋でも計算は同じで、変わるのは引き算を始める長さだけです。
ワンルームと1Kの違い
ワンルームと1Kの違いは扉1枚で、居室の面積ではありません。どちらも江戸間6畳なら2.64m×3.52mの9.29m²です。差が出るのは、家具を置ける壁の長さと、寝具から調理までの距離の2点です。
キッチンが室内にあるワンルームでは、台所の設備が居室の壁を占めるため、家具に使える壁が1面減ります。壁付けキッチンなら、その面はコンロと流し台に固定され、家具は置けません。カウンターキッチンがある住戸では、カウンターの前面が境界として使えるため、区切りのための家具を足さずに済みます。
距離のほうは、建具のない一室では引き算になりません。壁付けキッチンの正面に寝具を置けば、油煙とにおいは同じ一室にとどまります。ワンルームでこれを避けるには家具で境界を作ることになり、奥行き60cm強の収納と通路60cmで、区切り1本につき120cm強が床から消えます。1Kでは境界が建具の側にあるため、その120cm強を家具に戻せます。
ワンルームで足りなくなるもの
収納のないワンルームでは、掛ける収納を部屋の中に持ち込むことになります。掛けるために要る奥行きは有効で60cm強、その前に通路の60cmが必要なので、壁から120cm強が収納のために消えます。江戸間6畳の短辺2.64mでこれを受けると、残りは1.44m前後です。ここに幅97cmのシングルを置くと、通路は47cmとなり、60cmを割ります。収納がない6畳では、収納とベッドを同じ短辺に並べず、長辺と短辺に分けて配置します。
畳数の規格を取り違えると、この引き算は根本から狂います。江戸間と団地間では6畳の面積が2.27m²違い、短辺で9cm、長辺で12cm短くなります。図面の数字を実寸に直す手順は間取り図の読み方のページ、扉が1枚入ると何が変わるかは間取り別のレイアウトのページ、二部屋ある住戸との比較は1LDKのレイアウトのページ、部屋の用途ごとの寸法は部屋別のレイアウトのページが扱います。