狭い部屋のレイアウト:広く見せるより、まず通路を確保する
狭い部屋で最初に確保するのは、大人1人が通る60cmの通路で、家具の選択はそのあとに残った寸法から決めます。
狭い部屋のレイアウトは、広く見せる工夫ではなく引き算の順番の問題です。江戸間の4畳半は2.64m四方で6.97m²、6畳は2.64m × 3.52mで9.29m²。どちらも短辺は2.64mで同じなので、横方向に置けるものは同じです。この2.64mから通路の60cmを引いた2.04mが、向かい合う2列の家具の奥行きの合計に使える全部になります。狭い部屋で家具が入らないのは、この2.04mを先に配分せずに買ったときです。
狭い部屋で最初に確保するのは通路の60cmです
通路の60cmを最初に確保するのは、この寸法だけが削れないからです。大人1人が通る幅は600mm、つまり60cm以上とされ、これを下回ると体を横にしないと通れません。物を持って歩くなら75cm、大人2人がすれ違うなら片方が横を向いて90cmが要ります。家具の間は最低60cm、目安は60cmから90cmです。
順番は次のとおりです。狭い部屋ほど、この順番を守ることの効きが大きくなります。
- 測る:部屋の内寸を壁から壁まで測ります。畳数の表示ではなく実測値を使います。
- 引く:通路の60cmを先に引きます。残りが家具に使える寸法の合計です。
- 配る:残りを、大きい家具から順に配分します。ベッド、机、収納の順です。
- 止める:配分が尽きた時点で止めます。超えた分は入りません。
通路を引いたあとに残る寸法から家具を選ぶ
通路を引いたあとに残る寸法は、江戸間の4畳半と6畳で2.04m、8畳で2.92mです。ここにベッドを1台入れると、向かい側に置ける家具の奥行きが決まります。ベッドの幅はシングル97cm、セミダブル120cm、ダブル140cmで、長さはいずれも約195cmです。
| ベッド | 幅 | 4畳半・6畳の残り(2.04m) | 8畳の残り(2.92m) |
|---|---|---|---|
| シングル | 97cm | 107cm | 195cm |
| セミダブル | 120cm | 84cm | 172cm |
| ダブル | 140cm | 64cm | 152cm |
ベッドの幅を23cm落とすと、向かい側の家具の奥行き上限が23cm増えます。狭い部屋で最初に検討するのは家具を減らすことではなく、いちばん幅の広い家具を1段階小さくすることです。4畳半でダブル140cmを選ぶと残りは64cmで、奥行き60cmのデスクを置いた時点で余りは4cmになります。
収納がない部屋で、床を空ける
収納がない部屋では、床に置く収納の奥行きがそのまま通路から引かれます。押入れがある部屋の収納は壁の中に納まっていて、間口は半間の約91cm、奥行きの有効寸法は75cmから80cmです。中段の下は高さ70cmから80cm、上は90cmから100cmあります。クローゼットの奥行きは柱芯で約68cm、有効で60cm強です。
この75cmから80cmを床に置き換えると、4畳半や6畳の2.04mのうち80cmが埋まり、ベッドに使えるのは1.24mになります。幅120cmのセミダブルは入り、幅140cmのダブルは16cm超えて入りません。収納なしの部屋では、収納の奥行き分だけベッドを小さくするという交換になります。
床を空ける方法は、置く場所を床から動かすことです。押入れの中段の上下、クローゼットの上部、ベッドの下は、いずれも既存の高さの中にある空間で、床の2.04mを消費しません。中段の上の90cmから100cmという高さは、衣装ケースを2段重ねられる寸法です。
寝室、書斎、赤ちゃんのいる部屋で削る順番
狭い寝室を夫婦で使う場合、ベッド2台の幅の合計が短辺2.64mを超えるかどうかが分岐点です。シングル2台なら194cmで、2.64mから引いた残りは70cm。通路の60cmは確保できますが、それ以上は何も置けません。セミダブル2台なら240cmで、残りは24cm、通路が成立しません。
| ベッドの組み合わせ | 幅の合計 | 2.64mに残る | 通路60cmを引いた残り |
|---|---|---|---|
| シングル2台 | 194cm | 70cm | 10cm |
| シングル + セミダブル | 217cm | 47cm | 成立しません |
| セミダブル2台 | 240cm | 24cm | 成立しません |
| ダブル1台 | 140cm | 124cm | 64cm |
書斎や仕事部屋として使う場合、デスクの奥行きと椅子を引く寸法が要ります。椅子を引いて座るにはテーブルの縁から75cmで、奥行き60cmのデスクなら合計1.35mです。4畳半や6畳の短辺2.64mから1.35mを引くと1.29mが残り、通路の60cmを引いてなお69cmが向かい側に使えます。赤ちゃんのいる部屋では、寝具の周囲に人が立つ場所を確保するため、四辺のうち少なくとも1辺に60cmを残します。壁付けキッチンのあるワンルームでは、キッチンの前に立つ幅を通路とは別に見込みます。