リビングのレイアウト:ソファとテレビの距離から決める
リビングのレイアウトは、ソファとテレビの距離を先に決め、残った床に他の家具を入れる順番で決まります。4Kパネルの視聴距離は画面高さの約1.5倍が目安とされ、55型なら約1.03mです。
この目安は法則ではなく、置ける範囲の下限を示す線です。ソファをそれより近づけると画素の粒が見えはじめ、遠ざけるぶんには映像上の不都合はありません。つまりリビングの本当の制約は、視聴距離そのものではなく、テレビとソファの奥行きを引いたあとに残る床の幅です。部屋別のレイアウトのなかでリビングだけが、家具ではなく2つの家具の「あいだ」から決まります。
リビングで最初に決めるもの
テレビの「型」は画面の対角の長さをインチで表した数で、1インチは2.54cmです。16対9の画面では、画面の高さは対角の長さの約0.49倍になります。ここから、目安となる視聴距離が計算だけで出ます。
| 画面サイズ | 対角 | 画面の高さ | 高さの1.5倍 |
|---|---|---|---|
| 32型 | 81.3 cm | 約39.9 cm | 約0.60 m |
| 43型 | 109.2 cm | 約53.6 cm | 約0.80 m |
| 50型 | 127.0 cm | 約62.3 cm | 約0.93 m |
| 55型 | 139.7 cm | 約68.5 cm | 約1.03 m |
| 65型 | 165.1 cm | 約81.0 cm | 約1.21 m |
| 75型 | 190.5 cm | 約93.4 cm | 約1.40 m |
この表の数字は、画面そのものの寸法です。外枠と脚を含めた本体はこれより大きく、テレビ台に載せるとさらに手前へ出ます。
リビングのレイアウト:何をどこに置くか
狭いリビングで最初に不足するのは、ソファの背中側の通路です。江戸間の6畳は2.64 × 3.52m。長辺方向にテレビとソファを向かい合わせるなら、視聴距離はテレビ台の奥行きとソファの奥行きを3.52mから引いた残りになります。55型の目安1.03mを満たすには、2つの奥行きの合計が2.49m未満であれば足ります。これはまず問題になりません。
問題になるのは横です。短辺2.64mの側に、ソファの幅とその横を歩く帯の両方が要ります。1人が通るのに60cm、2人がすれ違うのに90cm。ソファの幅が2.04mを超えると60cmの通路が消え、1.74mを超えると90cmの通路が消えます。賃貸の狭いリビングでソファとダイニングテーブルの両方が入らないのは、面積ではなくこの帯の取り合いが理由です。
一人暮らしの部屋では、ソファを置かない選び方も成立します。ローテーブルだけなら、テレビの前に要るのは座る人の奥行きと通路の60cmだけで、江戸間6畳の短辺2.64mでも余ります。狭い12畳のリビングという言い方が使われるのは面積ではなく形が細長い場合で、判断はやはり短辺です。江戸間の12畳を規格どおりに敷けば3.52 × 5.28mになり、短辺は8畳と変わりません。長辺が1.76m伸びただけの部屋で、横方向の余裕は増えていません。
縦長、横長、正方形で、テレビを付ける壁が変わります
テレビを付ける壁は、部屋の長辺と短辺のどちらが視線の方向かで決まります。縦長のリビングでは短辺の壁にテレビを付けると視聴距離が最も長く取れ、横長のリビングでは長辺の壁に付けたほうがソファの幅に余裕が出ます。正方形のリビングはどちらでも成立するため、窓とキッチンの位置が決め手になります。
| 畳数 | 江戸間の面積 | 江戸間で敷き詰めた実寸 |
|---|---|---|
| 6畳 | 9.29 m² | 2.64 × 3.52 m |
| 8畳 | 12.39 m² | 3.52 × 3.52 m |
| 10畳 | 15.49 m² | 3.52 × 4.40 m |
| 12畳 | 18.59 m² | 3.52 × 5.28 m |
| 14畳 | 21.68 m² | 3.52 × 6.16 m |
| 16畳 | 24.78 m² | 3.52 × 7.04 m |
| 18畳 | 27.88 m² | 3.52 × 7.92 m |
右列は畳を江戸間の規格どおりに敷き詰めた場合の一例です。12畳以上のリビングダイニングは正方形に近い形で計画されることが多く、実際の縦横比は物件ごとに違います。面積のほうは規格が決まれば変わりません。
リビングに置く家具と、その寸法
リビングに入る家具は、ソファ、ローテーブル、テレビボードの3つが中心です。このうち寸法の幅がいちばん大きいのがソファで、幅の目安は1人掛けで約60〜90cm、2人掛けで140〜160cm、3人掛けで170〜200cmです。いずれも範囲であって、1つの数字ではありません。
| 家具 | 寸法の目安 |
|---|---|
| 1人掛けソファ | 幅 約60〜90 cm、奥行き 約70〜80 cm |
| 2人掛けソファ | 幅 140〜160 cm |
| 3人掛けソファ | 幅 170〜200 cm |
| ソファの座面の高さ | 40 cm前後 |
| 合わせるローテーブルの高さ | 35〜45 cm |
1人掛けのソファでも、置くには幅90cm程度の場所が要り、ソファを置くなら6畳以上が目安とされています。座面の高さが40cm前後のソファに合わせるローテーブルは35〜45cm、同じソファで食事もするなら67〜70cmです。低い家具でそろえるか、椅子の高さでそろえるかは、この差で決まります。
リビングの通路幅と動線
リビングの通路は、1人が通るなら60cm、荷物を持って歩くなら75cm、2人がすれ違うなら1人が横を向いて90cmです。ソファの背後を通路にするなら、この帯はソファの幅からではなく、部屋の短辺から引きます。
動線は、玄関からの入口、バルコニーの掃き出し窓、キッチンの3か所を結ぶ線です。この線をソファの正面で交差させると、テレビとソファの間を人が横切ります。線を部屋の片側に寄せ、ソファとテレビの間を通らない位置に通すと、座る場所と通る場所が分かれます。
リビングがキッチンと隣り合うとき
対面キッチンは、カウンターの奥行きと背面通路の分だけリビングの床を先に取ります。壁付けキッチンやクローズドキッチン、独立キッチンならその床は残り、ソファやキッズスペースに回せます。カウンターキッチンのあるリビングでレイアウトを考えるときは、カウンターの手前を歩く帯として60cm、そこで人がすれ違うなら90cmを確保してから、残りにソファを置きます。
江戸間10畳の縦長リビングでカウンターが短辺側にある場合、4.40mの長辺方向から、カウンターの奥行きと90cmの通路を引いた残りが、テレビとソファに使える距離です。子供の遊び場やベビーサークルを床に置くなら、その面積もこの残りから引きます。玄関から入ってきた人がソファの正面を横切らない位置に通路を通すと、動線が1本にまとまります。寝室のレイアウトと違って、リビングは1つの床を複数の用途で分けるため、最初に引く通路の位置が最後まで効きます。
リビングでよくある失敗
リビングでいちばん多い失敗は、ソファの幅だけを見て決め、横に残る帯を数えないことです。予測する引き算は1本で、部屋の短辺からソファの幅を引きます。
江戸間6畳の短辺2.64mなら、幅170cmの3人掛けで94cm、幅200cmの3人掛けで64cmが残ります。前者は2人がすれ違う90cmを満たし、後者に残るのは1人が通る60cmだけです。同じ「3人掛け」でも、目安の範囲の端と端では、残る帯の役割が変わります。座る場所より先に、通る場所を引いておく順番になります。